ふるさと納税

昨今ふるさと納税に関するニュースがメディアで取り上げられることが多くなってきました。原因はふるさと納税をした納税者に対し自治体が過度な返礼品を提供したことにあり、中には地場産業と全く関係ない返礼品まであります。そもそもふるさと納税とはどういった制度なのか、今一度制度の内容を簡単に解説します。

ふるさと納税の概要

ふるさと納税とは納税者側から見て簡潔に言うと税金の前払いです。将来払うべき税金(主に住民税)を先に納税するから、その代わりに特典(各自治体の返礼品)を与えますと言うものです。法人税や消費税などの代表的な税目には中間納付という税金を前払いする制度がありますがこれは義務であり、払ったからと言って何か特典があるわけではありません。ふるさと納税は納税者自ら選択して税金の前払いをするだけで特典をもらえる珍しい制度であり、自治体側から見た税収の適正配分という点は置いておいて、納税者側から見た場合は必ずと言っていいほど得をする制度です。

ふるさと納税の納税方法

ふるさと納税する方法(税金を前払いして特典を得る方法)は下記のようなポータルサイトがあるので、そこから納税したい自治体若しくは欲しい特典を探し、その自治体にクレジットカードなどを通じて納税するだけで、とても簡単です。楽天ポイントやTポイントで支払うことも可能です(税金がポイントで払える!!)

ふるさと納税の「精算」方法

ふるさと納税は、納税する先が多岐にわたるので、納税したら「税金を前払いしたよ!」と自分の住んでいる自治体に「申告」しないと、基本的には払いっぱなしになってしまいます。従って、ふるさと納税した年度は確定申告をして、ふるさと納税を年間でいくらしたかを自分で申告するのが原則です。ただし、会社から給与をもらっているのみで、毎年確定申告なんてしていないよという方は、確定申告が不要な制度としてワンストップ特例制度というものがございます。ワンストップ特例制度は、年間で5自治体までしか納税していない方が対象となっていますので、確定申告を今までもしていないしこれからもしたくない、だけどふるさと納税の特典は欲しいという方は、ふるさと納税は5自治体までで留めて、特例を適用してください。特例の適用方法は、納税後に自治体から送られてくる案内などに記載されておりますので、ここでは割愛します。

ふるさと納税の税額の目安

ふるさと納税をする上で年末近辺でいつもそわそわしてくるのが、もう少しふるさと納税できるのではないか、いくらまで納税すれば一番得なのかという点です。ふるさと納税額の目安は個人それぞれの年間の所得に基づきますので、簡単に算定することができませんが、毎年確定申告をしていない給与所得者の方であれば、総務省が給与年収と扶養親族の数などの情報を基に目安を公表しているので、そちらを参考にして頂ければと思います。

ふるさと納税給与年収と家族構成での目安表

ふるさと納税先の選択

ふるさと納税の納税先は数多くあるので、迷ってしまうことがしばしばあります。とにかく得をしたいと考えるのであれば、納税額と返礼品のバランスで考えるべきで、納税額に占める返礼品の価格の割合が高ければ高いほど得していることになります。ただ一方で、高い返礼品であってもうまく活用できないともったいないです。かくいう筆者も、数年前にフィットネス器具をふるさと納税の返礼品でもらいましたが、ほぼ使わずリサイクルショップで処分してしまいました。納税してよかったものもたくさんあるので、以下筆者の今までのふるさと納税でよかったものを記していきます。

地酒

地酒はまず納税額が低くても種類が豊富なのがいいです。また、地酒は自分用ではなく、お世話になっている人への贈り物としても喜ばれるので、何度か利用しました。

食器類

茶碗なども地元の特産品として豊富なので、お客様が来た時用で余分に持っておけば、何かと使えます。また、お客様用のティーカップとソーサーも重宝しています。自分で買うほどではないけど、あったらいいよねという雑貨を買っておくといいですね。

旅行券

これから減少していく可能性もありますが、旅行券もよく返礼品としてもらってました。旅行先でお金を使うので、地域振興にもなりますしね。

他にも今までたくさん納税してきましたが、キリがないのでこの辺で。

以上、ふるさと納税に関して簡単に解説しました。ふるさと納税は源泉徴収・年末調整で完結してしまっている方々が、納税や申告に興味を持つきっかけになる身近な制度かと思いますので、是非今後も継続していって欲しいですね。

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