税務調査①–税務調査とは
概要
税務調査とはどういったものなのか…経験されたことがないお客様は不安になりますし、むしろ何度経験したとしても税務調査が行われるというだけで、やましいことはないのになぜか不安はつきまとうものです。
税務調査に関するコラムでは、主に資本金1億円以上の大企業、いわゆる調査部所管法人を対象とした法人税・消費税の税務調査、及び源泉所得税の調査に関して、その内容を筆者(筆者は元税務署の職員ではないですので、実際に調査を受ける会社若しくは代理人である税理士としての目線での)経験をもとに記載していきます。
税務調査とは
税務調査とは、国税局や税務署の職員の内、一般的に調査官と呼ばれる職員の方々が、各企業や個人に訪問し、帳簿及び関係証拠書類のチェックや代表者/従業員へのインタビューなどを通じ、法人税や所得税などの申告内容に誤りがないかどうかを確認し、誤りがある場合は是正を求めるものと考えてよいかと思います。
つまり、事業に関係する証拠書類が全て理路整然と整理され、それを基に会計処理が正しく行われ、その正しく行われた会計処理に基づく帳簿書類を基に、正しい税務処理に基づく法人税や所得税の確定申告が成されていれば、何も不安になることはありません。むしろ、税務調査を受けて調査官に素晴らしい管理をしていると褒めてもらうことを期待してもいいくらいかと思います。
ドラマなどで見る「査察」
少し古いですが有名な映画「マルサの女」やNHKで放映されていたドラマ「チェイス」は、やはり映画やドラマですので刺激的な展開が多く見られます。ただし、これらの舞台は上記の税務調査(任意調査)ではなく「査察」と呼ばれる、一般の税務調査とは一線を画す「脱税者」に対する強制捜査になりますので、そのような経験は筆者はありませんし、今後も経験したくありません…
映画のようなドラマチックな展開はないのが一般的な税務調査であり、「何もなければ」淡々と始まり淡々と終わります。
②以降では、税務調査の流れや調査官の特徴、「何もなければ」の状態にするためにすべきことなどを記していこうと思います。